営業妨害の証拠の集め方
会社経営を行っていると、競合他社やクレーマーなどから事業に支障が出るような営業妨害行為を受けることがあります。
営業妨害による損害を最小化し、妨害行為を行った人に法的な責任を取ってもらうためには、適切な対策をとることが必要です。
営業妨害には刑事・民事的な責任が発生する
「営業妨害」という言葉は法律的な用語ではありませんが、会社業務を何らかの形で妨害し、損害を与える行為をさします。
たとえば、信用に傷がつくような噂を取引先や金融機関に流したり、業務に関係のない電話メールやFAXを大量に送りつけたりといった行為です。
また、従業員の社外のトラブルを原因とするものもあります。
よくあるのが、社員がヤミ金業者から金を借りたまま返さず、業者が勤務先にしつこく催促の電話をかけてくるといったケースです。
法律的には個別の事例によって、信用毀損罪・名誉毀損罪・威力業務妨害罪・脅迫罪等の刑法犯に該当することが考えられます。
また民事では、その行為の差し止め請求や損害賠償請求などを行うこともできます。
行為者の特定と証拠集めを行う
問題は営業妨害行為を行う者が特定しにくいことです。
刑事事件に該当する場合は警察の捜査対象となりますが、警察は簡単には捜査に動いてくれないという現実もあります。
民事訴訟を起こす場合は、自分で相手を特定する必要があります。
電話の発信元等から、探偵興信所などを使って個人を特定することを検討すべきかもしれません。
刑事・民事ともに、行為の証拠を集めることが大切です。
電話の録音メールやFAXの保存とともに、時系列にどのような行為があったかメモを取っておきましょう。
また、探偵に営業妨害の行動を調べてもらい、報告書を作成してもらうのも有効です。
まず考えるべきことは被害の最小化
証拠を残すことは、その行為自体をやめさせることにも役立ちます。
証拠収集を行っていることが相手に分かれば、多くの場合行為は収まります。
また前出の貸金業者の事例の場合、業者の目的は債務者に精神的な圧力をかけること。
法的な責任が問われるリスクを負うことは「得策」ではないため、勤務先への営業妨害はすぐにやめます。
営業妨害行為を受けた際に考えるべきことは、まずその被害の最小化であることを忘れてはならないでしょう。