海の幸と狸を祀る北陸→近畿→北海道(以下略)③狸小路in札幌

第1回・金沢編はこちら
第2回・京都&信楽編はこちら

しつこいようですが、私は狸が大好k(強制終了)。

信楽狸天国の余韻が冷めぬうちに、次なる聖地・「狸小路」へ。京都から大阪を経由し、空路で一気に北海道の新千歳空港へ降り立ちました。降り立って一言…寒いわ!
ここでやっとダウンコート、長らくキャリーバッグを圧迫していた厄介者の出番です。

新千歳のお土産コーナーはとても広く、見ているだけで楽しいのですが、搭乗口への出入り口が多く、名品店街を渡り歩いているうちに方向感覚が麻痺していくような構造。で、旦那が迷子に(私は体調不良で動けなかったので荷物番)
「今どこにいるのだ?」と、電話でか細く訴える36歳児。いやいや、お前がどこ行った。
結局、合流するまでに3本ほど電車を逃し、予定を大幅に遅れての札幌入りとなりました。

”ぽんぽこシャンゼリゼ”・狸小路で拝む、歩く、食べる、遊ぶ

狸小路は、北関東随一の歓楽街・「すすきの」に位置するのですが、厳密には「すすきの」や「狸小路」って地名はないのですね。一帯は南★条西▲丁目といった番地で区切られ、その一角をすすきのと呼び、その中に狸小路がある、というイメージ。
札幌には小学6年生まで住んでいましたが、今回初めて知りました。まぁ、小学生で“すすきの通”だったら、それはそれでアレですし。

とりあえず「近いから」だけで入ったお店が予想外に美味だった件

そんなわけで、地下鉄ならひと駅、歩いてもせいぜい15分のところをタクシー乗り付けて宿へチェックイン。この時点で既に夕飯どきからかなり遅れていたため、店選びの時間も惜しく、惰性で宿の並びにある雰囲気の良さげな居酒屋に飛び込みました。

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まずは「かに味噌」!北海道と言ったら何といっても毛ガニ様です。その繊細な身も気前よくたっぷりと。これだけでもう満足した気にさせられました。

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予想外に美味しかった「温玉ラーメンサラダ」。麺にたっぷり絡めた、特製ゴマソースと温玉をかき混ぜて食べた時の驚きといったら…。

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締めの「烏龍茶アイス」が、もう美味過ぎて泣けた。甘味があまり得意ではない私も手が止まらぬサッパリ味、最高です。旦那が4回もおかわりしやがって二度泣けた。

惰性と勘で入ったら、かなり良かったこちらの居酒屋、「ほたる 南三条店」

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何となくいい思いが出来そうな門構えで決めました。2人からでも掘りごたつの個室、というのも高ポイントだと思います。

昨夜の夕餉は御狸様のご加護に違いないのでお礼参りへ行きました

翌日、札幌での最大ミッション=御狸様を詣でる事に。宿の長い裏口を抜けると、そこはもう狸小路でした。

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正式名称は「本陣狸大明神社」旦那、邪魔。

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こちらが御神体・本陣狸大明神様(`・ω・´)人アリガタヤアリガタヤ

hatitoku御狸様の背後には、「狸地蔵八徳」と書かれた立札が掲げられています(クリックで拡大)
ざっくり要約すると。
一・頭を撫でれば知恵を授かり学業成就
二・目鼻をさすると、他を抜き当選・就職合格
三・肩から胸にかけてさすると、良縁・恋愛成就
四・太鼓腹を撫でると、安産・育児問題なし
五・通帳に触れば、信用を高め名声を得る
六・杖をこすると、交通安全、災難即滅
七・金…ゲフンを叩けば、商売繁盛・金運開運
八・尻尾を押えると、…いわゆる“お盛ん”に
…という感じでしょうか。

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俗物の私は、太鼓腹の下を連打連打!金運はこれでバッチリね、ふぅ。
さらにお賽銭を弾み、厳かにお参りを終えたところで、ぶらり散策する事にしました。

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狸小路商店街は、1丁目から7丁目まで続く大規模アーケード。通りに面したお店の密度や活気に大興奮の私。バス停2駅分歩いて息切れする老人には、ちょっとハードな散歩道でしたが。

さて、札幌といえば食わずばなるまい、「札幌ラーメン」。当然、味は味噌で!が、例によって御狸様詣での事しか考えていなかったので、またしても勘のみでこちらのお店へ飛び込み。

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「札幌らーめん北一・狸小路店」へ。カウンターのみのお店です。基本的な味噌の他、白or赤味噌が選べる特製味噌、塩らーめんにも力を入れている様子。散々目移りした挙句、やはり定番「味噌らーめん」に。初めてのラーメン屋では、あまり冒険をしないタイプなので。

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しまった、麺とかも撮ればよかった。札幌ラーメンならではの中太・卵麺が嬉しい。スープの濃さも、いい塩梅で麺に絡みます。美味しかった。

再び、狸を満喫。もう、名前に「狸」と付いているだけで、狸グッズがあるだけでホイホイ。

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多分、土産物屋さんの中では親玉クラスであろう、その名も「たぬきや」。至る所には、狸小路のマスコットキャラクター「だっこポン」の熱烈歓迎のぼりが。ああ、ひと流(ながれ/のぼりはこう数える)持って帰りたい…。

watanuki狸小路内には、全部で3~4店のゲーセンがあったのですが、さすがわかっていらっしゃる、ほぼ全店に「妖狐×僕SS」(いぬぼくシークレットサービス)という漫画(&アニメ)のキャラクター・渡狸卍里(わたぬきばんり)の変身後ぬいぐるみが景品にされていました。
百円玉をひたすら落とし続ける作業に没頭…した甲斐あって、一匹獲ったどー!
…って、札幌に来てまでゲーセン巡りかよ!

今もあるかは不明ですが、狸小路ならではのこだわりとして、今後も全店配備でお願いしたいものです。

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札幌の観光なら札幌狸小路商店街
この辺で公式サイトに丸投げ。狸小路の魅力が余すことなく紹介されております。

札幌最後の夜。土地勘はなくともイイ感じのお店のにおいを嗅ぎ分けよ!

人それぞれ求めるものが違うので、普段からあまりクチコミ系サイトは見ません。色々調べるのも面倒だし(結局コレが一番)。そもそも、大歓楽街を隙間なく埋める雑居ビル1棟に、どれだけの飲食店が詰まっているとお思いか。選ぶ時間だって勿体無いですし。

そこで、私が予備知識ゼロで旅に出る際に実行する、少なくとも”外さない”店選びのポイントを何点か提案したいと思います。

規模?雰囲気?場所?何食べる?一番大事な”キモ”が決まればあとは簡単

まずは、こういったものを2~3冊用意。宿の受付や駅などに置いてあるやつです。

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最初から行きたい店や食べたい料理が決まっているなら話は別ですが、飛び込みの場合は広い選択肢など不要。市ぐるみ街ぐるみでわざわざお薦めしてくれている中で充分です。その中で「これだけは外せない」条件を1つ2つ付けて縛ります。
私の場合、「大衆居酒屋以外(席数30以下)で徒歩5分圏内」。これだけで10軒くらいに絞れるので、あとはガイドの写真(店内写真の方がわかりやすい)やデータ(メニューや予算)を見比べ、2~3択になったらいざ出陣!
非常にザルな選別法ですが、これで今まで一度も外した事はありません。

すすきのの片隅でひっそり。店の雰囲気と炭焼、旬の肴で美酒に酔う

今回もそのザル戦法で訪ねたのが、「炭々酒肴ケイハチロウ」。キャッチコピーは「炭焼と旬のおすすめと旨い酒」。いいね、シンプルだけどいいね!

keihatirouほぼスナックやパブ系のテナントで埋まったビル。入ったら出てこられないような雰囲気を醸す狭い入口。「や、やめとこうぜ」とビビる旦那。嫌です、私は自分の野生の勘を信じるっ…!(ガチャ)

満★席。

パッと見たところ20席くらいの小さなお店が、人でいっぱいでした。諦めようかと思ったところで女将さんが、「10分くらいでご案内できます」との事。聞けば団体ではなく、個人客で賑わっている様子です。これ、割と重要(経験上)。期待してもいいのではないでしょうか。

ほどなく入店、掘りごたつの小上がり席に案内されました。人が多かったので店内を撮る事はできませんでしたが、木のぬくもり感じる暖色系の造り。いわゆる「隠れ家」的な雰囲気です。

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自慢の炭が薫る、熱々の「焼き枝豆」。枝豆を焼く、という発想はなかった。

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(ちょっとブレちゃったけど)粒の大きな「塩炒り銀杏」。金沢でも京都でも、そしてここでも銀杏。どれだけ銀杏好きなんだこの夫婦。

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一番のヒットは、この「揚げ百合根の塩昆布和え」。百合根を食べたの、初めてです。素朴でホクホクしていて、美味しい。塩昆布との相性が抜群で、程よい塩加減が盃をぐいぐい進めます。

なお、店の華・炭火焼鳥各種は、携帯の充電が切れて、予備充電器の電池を入れ替えている間に一本残らず旦那の胃の腑に。あれだけ不信感いっぱいだったくせに、「うめー!何これうめー!」と貪り尽くされ…おのれ…。

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店主自慢の地酒は月替わり。お猪口は沢山の種類から、好きなものを選ばせてくれます。これは、島根の純米酒「天隠」(てんおん)。濁り酒って何でこんなに美味しいのでしょう。

特に「これぞ札幌!」といったメニューはないけれど、素材に余計な手を加えず、炭の力で旨さを引き出した料理を堪能することができました。このお店、大当たり。

今宵の巡りあわせも、きっと御狸様のお導き。帰る前にちゃんとご挨拶して帰りました。

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ああ、有難や、有難や。

次回予告・旅の最後は函館!しかしここで問題発生…ナンテコッタ!

金沢から始まったゲーム遠征新婚旅行も、あとは最後の日程、函館を残すのみ。函館は、6年ぶりの再訪です。目指すは大門横丁、そして函館ラーメン!前とはかなり様変わりしているかもしれませんが、それもまた楽しみの一つです。

しかし、函館では重篤な問題が私たちを待っていた…。

というわけで、今回はこれにて。毎度長くてスミマセン。

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