海の幸と狸を祀る北陸→近畿→北海道(以下略)④函館

第1回・金沢編はこちら
第2回・京都&信楽編はこちら
第3回・札幌・狸小路編はこちら

函館には、6年ほど前の同じ時季に一度行った事があります。その時、適当に入った居酒屋さんのお通しに、何と、毛ガニ様の半身がドン! 毛ガニ様がお通し扱い、何て気前のいい話なのでしょう。
即座に、函館は私の中で「素晴らしい街」認定。「アイル・ビー・バック!」と親指立てて、再訪を誓ったのでありました。そして今回、長い長い旅の最後に選んだのが函館。待ってて、海の幸たっぷりの海鮮丼。あと、函館スイーツ!(旦那用)

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6年前はまだ、持っていた携帯がVodafoneだったので、こんな写真しか撮れませんでしたが。

さて、夜の函館駅。

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以前には無かった、何ともコメントに悩む造形のオブジェ。何をしていて、何の意味があってこの形なのでしょうか。
私「何か、親子でうなだれている様にしか見えんな」
旦「本当は土下座したいのに、子供が邪魔で出来ん感じだな」

求む、真意。

拠点なぞビジネスホテルで充分だと思っていた私が初めて宿に感動

まずは身軽になろう、ということで宿へ。

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駅から徒歩5分ほど、函館朝市を過ぎた先に位置するこのホテルなのですが、名前からしてオシャレでセレブな予感ひしひし。

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エントランス。奥は、男爵いもの生みの親・川田龍吉男爵にまつわる資料や遺品が展示されたギャラリー兼カフェが。手に取って読める本もあり、寛ぎ感満載です。

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部屋は、全体的にゆったり感を重視した1LDKタイプ。キッチン完備(調理器具・食器含む)には驚きました。朝市の隣ということで、買った食材をここで調理する人も多いのでしょうか。引き出しにカニ断ちバサミまで入ってたよ!
旦那とほぼユニゾンで。

「住みてぇ…」

結婚して最初で最後(今現在まで)、旦那と心がひとつになった瞬間でした。
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多種多様な味自慢が軒を連ねる、函館名物「大門横丁」に突撃!

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駅から歩いて5分強の好立地。6年ぶりの「大門横丁」です。「カニの甲羅で酒を盛って呑むと、ものすごく生臭い」ということを教えてくれたのもこの場所。
現在は全27店舗で構成されているようで、この日は金曜日ということもあり、なかなかの人出と活気に溢れていました。

行くお店はもう決めていました。6年前に行ったお店で、席数は10席あるかないか。小さな七輪を目の前に置いて、上質のラム肉や捕れ捕れのイカやエビを存分に堪能したお店なのです。
その後、別のお店に行って甲羅盛りを呑んで死ぬほど後悔し、口直しにまた戻って、閉店まで入り浸った思い出のお店。ただ、すっかり出来上がっていたため、宿に帰った頃には店名をすっかり忘れてしまったのです。覚えていたのは、女性が一人で切り盛りしていた事くらい。
そんな店がどれだけあると思ってんだ詰めが甘ぇ。

とりあえず、お店の雰囲気や造りを見ればわかるだろうと、横丁を3周くらいうろうろ。該当なし、困った。そもそも6年もの間ですよ、ここでお店を維持し続けているお店がどのくらいあるのでしょうか。そうか、あのお店はきっと、お星さまに…。

と、勝手に無きモノにしたら(酷い)次、次。もちろん、アテはありません。何となく良さそうな雰囲気を醸し出しているお店へ吸い込まれるしかあるまい。

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「ひとくち天ぷら」という店名に惹かれました。

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初手からカニ様(奥)とエビ様(手前)の、甲殻類コラボがサクサク旨い。

豆知識:「タチ」って何ぞ?海育ちの旦那が首をかしげたその理由

やたらメニューで「タチの刺身」「タチの天ぷら」なるものを推してくるため、旦那(石巻出身で私より魚に詳しい、多分)が疑問を抱いたようです。

「タチって、今の旬じゃなくね?」

タチとは、マダラの精巣(白子)の事。じゃぁ卵巣はネコか。元々、北海道出身の私には馴染みがあった言葉なのですが、どうやら道内、または、せいぜい青森北部でのみ通じる言葉のようです。
旦那は「タチ=タチウオ」だと思っていたため、旬が~旬が~、と言っていたわけで。説明すると「お前に教えられるなんて屈辱…」何だそりゃ!( ゚д゚)クワッ

ちなみに、今住んでいる宮城県では「キク」と言うのが一般的です。地方ごとに呼び名が違うというのが、何とも面白い。

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お味ですが…私には徹底的にアカン系の食材でした。この食感や味は、すごく好き嫌いが分かれると思います。

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サンマのなめろう(たたき)はとても美味しかったです。大好きな昆布焼酎と一緒に。

他にもタコやらエビやら(おかわり)色々揚げて貰いましたが、よく考えたら、ひと口とはいえ延々と揚げ物を流し込んで胃がもたれない訳がない。予定では、せめてあと一軒くらいは流れたかったのですが、もうお腹が帰りたがっていたので断念しました。無念。

10日間の日程で唯一、観光らしいものをしたかもしれない函館2日目

目標は函館ラーメン!こちらもお店は最初から決めていました。朝市の中にあり、仕切られた丼に味噌・塩・醤油、3種の味が相盛りで楽しめる某店…だったのですが、何といっても6年前の話。今では移転した上に、3種盛りはもうやってないとの事。ならば用は無い!

代わりに、五稜郭近くに評判のお店があるようなので、そこで摂ることにしました。微妙な時間帯だったため、まずは近くの五稜郭タワーへ。そういえばこの旅の道中、本当にゲーセン巡りしかしてないし(これを決めた場所もラウンドワン函館)

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天候に恵まれなかった事もあるけれど、何となくあまりいい予感のしない佇まいであります(笑)

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地上90mの展望台から見下ろす、戊辰戦争の終焉、箱館戦争の舞台、五稜郭。本当に五角形ですね(当たり前)。しかし、よくこれほど綺麗にかたどる事ができたものです。凄いなぁ。

箱館戦争といえば、英雄、土方歳三が最期を迎えた地。新選組の「鬼の副長」としてあまりにも有名です。五稜郭タワーは「土方タワー」といっても過言ではないくらい、土方歳三にまつわる資料が展示されていました。

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1階エントランスと展望台に、その銅像があります(何か挟まってますけど気にしないで下さい)。数々のアニメやマンガなどでは、強くカッコ良く描かれている氏ですが…。

私には前○清にしか見えないんですけど。

「函館は今日も雨だった」とか歌いたい気分なんですけど。

さて、五稜郭は満喫したので(中も歩かなかったのにかよ!)、お目当ての函館ラーメンのお店へ。

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「函館ラーメンの真髄がここにある。」と謳うからには、食わせてくれると信じて。地元のラーメンマップ(立ち読み)でも、かなりの好(高でもある)評価でした。

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ストレート麺に透き通るようなスープ、たっぷりのネギにバラ肉チャーシュー。大変好みのお顔です。お味の方はというと、確かに美味しい。ただ、麺がストレートでシンプルな分、スープにもう少し力があってもいいかなー、とも思いました。

それよりも気になるのは、料理の出てくる尋常でない早さ。実は前日、大門横丁帰りに別店でラーメンを食べたのですが(イマイチだった)、函館のラーメン屋さん、注文してから3分くらいですぐ出てくるんですよ。家で袋麺作るより早いよ! あれは函館共通? たまたまそういうお店ばかり選んだだけ? 謎。

世界三大夜景を拝むことができるか!?観光ごっこその2・函館山へ

以前に何故函館山に行かなかったかというと、傘を挿しても意味がないくらい天気が荒れに荒れてそれどころじゃなかったからです。今回も決していいとは言えない空模様でしたが、ラーメン屋を出る頃には霧雨も晴れ、徐々に回復の兆しが見えていました。
日頃の行いって大事。私の。

路面電車に乗って赤レンガ倉庫近くで降り、そこからは自転車では絶対登りたくないような勾配の坂道をひたすら歩く。もういいです夜景観なくても、とごねる私を引きずって歩く旦那。
着いたら着いたで「やだやっぱ帰る!」と言いたくなるような行列に混ざって1時間弱。停まっている観光バスの数も半端じゃありません。

そんな苦行の末、辿り着いた景色がこちら。

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携帯ではこんなもんですが、それなりに美しく、やはり来て良かったと思いました。

「黒い皿の呪い」━━━函館最後の晩餐は、まさかの干物とカップ麺!?

函館山からの帰り。翌日には青森経由、一気に帰仙の予定です。さぁ、今晩は何処へ行こうか。と、思ったその時。

二人合わせての全財産、2000円(土産物等に取っておいた雑費除く)

地元の酒と肴を堪能するには全然足らない。一人あたま1000円で最後の晩餐、どうしてこうなった…。

決まっているじゃないですか、初日ですよ初日。4回も通って黒い皿(470円)を、累計50枚は平らげた(+600円超の皿も10枚ほど)金沢が、ここに来て確実に効いてきた訳で。しかし、無い袖は振れません。故に。

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宿のショップで購入。いいんです、「北海道限定」どん兵衛に焼酎・喜多里(昆布)、お湯で温めるイカ飯、帆立の貝柱。上等、上等(半泣き)

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絶望的に包丁がヘタで見た目がアレなんですが、まぁ、コンドミニアム的なリッチ部屋で食べる北海道の恵みも悪くない。むしろいい。私、体力ないし。貝柱美味かったし。慎ましく過ごした最後の夜でした。

函館、リベンジせざるを得ないです。スイーツ、食べ損ねたし。

次回最終回:各地で買い食い、駅弁、お土産etc.のまとめやります

毎度毎度長文で申し訳ない気持ちで一杯なのですが、一箇所2泊以上、なかなか全てをレポできず、これでも随分と端折りました。特に、駅弁と土産はまるごと削った感じなので、まとめて紹介したいと思います。

次回で完結、お楽しみ…に?

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