警察を動かす方法
詐欺の被害に遭ったときの、怒りと悔しさは相当なもの。
なんとしてでも被害額を取り戻し、犯人に処罰を受けてもらいたい、と考えるでしょう。
しかし、詐欺被害を警察に届け出ても、積極的に捜査をしてくれないという現実があります。
警察を動かすには、まず自分自身が動かなければならないという難しさがあります。
捜査をしてもらうには被害届よりも刑事告訴
警察は犯罪の捜査を行う義務があります。
したがって、被害届によって警察が犯罪の事実を知れば、捜査を開始することとなります。
しかし、被害届を出しただけでは警察を動かすには不十分なことが多いようです。
そこで、被害届ではなく、「刑事告訴」を行うという方法があります。
刑事告訴は、被害を報告するだけではなく、はっきりと加害者の処罰を望む意思を示すものです。警察により積極的な捜査を促す効果があります。
詐欺事件に立ちはだかる民事不介入の壁
しかし、警察は被害届や刑事告訴を受理してくれない、という事例も多いようです。
特に詐欺の場合、それが処罰の対象となる犯罪であるのかということが微妙であることが多いことが原因として挙げられます。
警察は、お金の貸し借り、商取引による支払いなどのトラブル等、民事事件には介入できません。
捜査できるのは刑法等に違反する犯罪です。
詐欺事件の場合、民事との線引きが難しいことが多いため、警察が動きにくくなってしまうのです。
警察に動いてもらうためには、その詐欺の犯人が刑法犯としての要件を満たしていることを、証拠とともに示すことです。
また、詐欺の加害者が特定されていたほうが警察も捜査しやすいという実情があることも覚えておきましょう。
新たな証拠を持って、何度も警察に足を運ぶ
もうひとつ、警察に動いてもらうコツは、何度も警察署に出向くことです。
被害届等の提出をした被害者から再度連絡がないと「もう解決したのだろう」と、その事件に目が向かなくなります。
詐欺師からコンタクトがあったとき、新しい証拠がつかめたときなどのタイミングで、警察にその旨を伝えることが重要です。
犯罪の構成要件を満たすにはどのような事実がなくてはならないか、どのような証拠が有効か、といったことは法律問題になりますから、刑法に詳しい弁護士のアドバイスを受けると良いでしょう。
また、犯人を特定し、証拠を集めるために探偵などの調査会社を利用することも選択肢となります。