社員の職歴詐称を調査する

就職・転職の際、求職者が採用に向けて自分の価値をアピールするのは当然のこと。

しかし、採用した社内の従業員に、職歴詐称の疑いが生じるとトラブルになります。

軽微なものであればともかく、業務が遂行できないような重大な詐称の場合、処分も検討しなければならなくなるでしょう。

では、履歴書や職務経歴書に書いてある職歴は本当に正しいのかを調査するには、どのような方法があるのでしょうか。

公的な書類から職歴の矛盾を調べる

職歴詐称の類型としては、前職の会社に実は所属していなかった、業務内容が申告と異なっていた、勤務期間や退職理由などを偽っていた、といったものがあります。

これらの経歴詐称が見つかるきっかけとして、税金や社会保険等の記録があります。

源泉徴収票、翌年度の市民税の明細などで、その従業員の職歴と矛盾がないか調べることができます。
また、雇用保険被保険者証や、年金手帳の加入歴の確認をするのも有効です。

上記のような書類は会社が事務手続きのために必要とするものであり、従業員の職歴詐称について特別な調査に着手しなくても、ある程度の情報を得ることができます。

経理担当者らと連携しながら検討を進めてみましょう。

前職の会社からの情報提供を受ける

前職に関するより詳しい情報を得るには、本人に調査について話した上で、前職の会社の退職証明書を取得してもらう方法もあります。

退職証明書は所属していた会社に発行の義務があります。

退職証明書には、記載項目として在職期間、業務の種類、賃金、退職理由などを指定して発行してもらうことができますので、それらの記載のあるものを持参してもらいましょう。

また、前職の会社へ電話確認を入れ、その人の仕事に関して聞き取るという方法もありますが、個人情報保護の観点から、このような電話に関しては一切情報を提供しない会社が多くなっているのが現状です。

専門の調査会社に依頼する

自社で行う調査に限界を感じた場合は、探偵・興信所など、専門の調査会社に依頼することも検討対象となります。

調査会社では、書面だけではわからない職歴、勤務態度、トラブルの有無など、前職での働き振りをより詳細に調べるためのノウハウを持っています。

とくに、重要なポストを任せる可能性のある人材については、ある程度の費用を投じてでも、調査してみる価値はあるでしょう。

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