会社の登記を調べる方法
新しい取引先から大口の受注あるいは業務提携をする場合、相手の会社が信用できるのか、ということを調べる必要があります。
少なくとも、その会社が本当に存在するのかわからない状態で取引を開始するのは避けたいところです。
そこで役に立つのが会社の登記情報です。
登記簿は過去のものまで取得しておく
「商業登記簿」は、登記事項がすべて記載される謄本(全部事項証明書)と、申請者が指定した事項のみが記載される抄本(一部事項証明書)があります。
企業調査を行う場合は、謄本を取得しましょう。
また、会社を調べるときには現在の状況だけではなく、過去の情報も重要です。
一定期間の登記事項の抹消の履歴も記載される「履歴事項証明書」、その期間以前の履歴が記載される「閉鎖事項証明書」も取得しておくべきでしょう。
確認したい登記事項と注意点
会社の登記事項として、確認しておきたいものとしては以下のものがあります。
- 商号
- 所在地
- 会社の成立年月日
- 目的
- 資本金の額
- 役員
この記載事項の中でいくつか注意点があります。
目的は会社の業務内容が記載されています。
その会社がこれから行う予定の業務を行っていないということがないか調べましょう。
逆に、業種を何でもかんでも記載し、何を本業としているのかわからない会社も要注意です。
資本金は、高ければ会社の規模が大きいと推測することができます。
ただし、債務超過の会社など、すでにその資本金が残っていない可能性は十分にあります。
また「見せ金」などの手法で登記を行っている場合、最初からそのお金が存在していないこともあります。
設立年月日は、会社の歴史を調べる際に有益ですが、休眠会社の買取りにより法人格という「入れ物」だけを手に入れ、経営実態がないケースもあるようです。
履歴事項証明書などで、その会社の組織が急に変わっていないか、といったことを調べる必要があります。
登記情報だけを鵜呑みにしてはならない
登記情報は会社調査の基本であり、重要な情報ではあるのですが、悪意を持って作為が施されている可能性も考慮しましょう。
取引額が大きい場合、登記情報だけに頼らず、実際に事業所に訪問してみる、財務情報などを調査するなどの方法で、より詳しい情報を得る必要があります。