取引先調査を依頼する
新しい取引先から大口の受注、継続的な取引、あるいは提携を考えている場合に、気になるのが相手企業の支払い能力などの信用状態です。
取引先調査は、ある程度自分で行うことができますが、時間や技術に限界がある場合、外部に委託することが広く行われています。
企業調査ができる相談相手とは?
企業の信用調査の依頼先として、主に以下のような事業者が挙げられます。
- 企業調査会社
- 会計士・税理士
- 探偵・興信所
「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」などの調査会社では、上場企業だけではなく、中小企業の財務状況のデータを日々更新、蓄積しています。
特定の企業について調査依頼を受けた場合、もともと持っている資料に加え、新たに取材を開始。経営状況や財務状況などについてレポートを作成します。
相手企業の損益計算書、貸借対照表など、財務諸表を読む専門家です。
顧問税理士がついている会社であれば、相談を持ちかけることも簡単です。
顧問税理士であれば、こちらの財務状況についても理解していますので、その取引の自社にとっての貸倒れリスクがどれほどか、という観点からアドバイスがもらえるでしょう。
中小企業は、決算書などの情報が乏しく、実態がつかみにくいものです。
探偵の調査手法は、資料など紙ベースの調査よりも、経営者の行動、人間関係などを尾行などでつかむことが中心となります。
秘密裏に調査を行いたい場合、経営者個人について詳細に調べたい場合、良い相談相手になります。
調査の目的をはっきりさせて相談相手を選ぶ
調査機関を選ぶ際は、取引先についてどのようなことを調べたいのか、何に不安があるのか、また調べることにどのような困難があるのかという、問題意識をはっきりさせることが大切です。
それにより、選ぶべき相手は変わってきます。
たとえば、相手企業の決算状況から業務の実績や支払い能力を調べる場合と、相手の経営者が反社会勢力とつながりがないか、ということを調べる場合では、行うべき調査の手法はまったく異なるものになります。
健全な取引を行い、経営リスクを最小にするために、それぞれの得意分野を勘案しながら、適切な相談相手を選ぶことが必要となります。