持ち逃げされたお金を取り返す
社内の従業員に横領された場合に被害額の回収が難しくなるのが、その従業員が姿を消し、お金を持ち逃げされるケースです。
まずは相手の居場所がわからないと、不当利得を返還してもらおうにも、どこに請求して良いか途方に暮れてしまいます。
目的は刑事罰か、それともお金の回収か
会社のお金を持ち逃げされた場合、当然そのお金は返してもらう権利があります。
また、横領は刑法上の犯罪ですので、刑事告訴をし、警察に捜査してもらうこともできると考えられます。
しかし、刑事告訴をしてその人が逮捕されても、警察がお金の回収をしてくれるわけではありません。
むしろ逮捕されると、働いてお金を稼ぐことができなくなるので、回収が困難になる側面もあります。
経営者の多くは、持ち逃げをした従業員が刑事的に罰されることよりも、お金を返してもらうことを望んでいます。
警察の捜査は最終手段にとっておく
警察に相談する前に相手の居場所を特定し、お金を回収できればそれに越したことはありません。
刑事告訴をするかどうかは、それから考えても遅くはありません。
警察に届ける前に相手の居場所をつかむことには、もう一つメリットがあります。
「内容証明」などで持ち逃げしたお金の返還請求をする際、「支払いがない場合は、刑事告訴する」ということを伝えると、回収に高い効果が望めることです。
保証人への請求、居場所の調査も検討する
会社の従業員は、入社時や業務上、会社に様々な個人情報を提供しています。
これは人探し、お金の回収で大きな武器となります。
まず、入社時に保証人の契約をしている場合、その人に請求することができます。
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Q&A経営相談室 社員の身元保証人に損害賠償請求をしたいのだが…
また家族や親族であれば、本人の居場所を知っている可能性も高いでしょう。
それでも居場所が分からなければ、債権者として相手の住民登録の情報を取得する方法や、探偵や興信所に依頼し、探してもらう方法もあります。
持ち逃げされたお金を取り返すためには、相手の居場所を突き止めるため、自分でできるかぎりの調査をしておくことが大切です。
手がかりが多ければ探偵・興信所等の外部の専門家の調査の成功率も上がりますので、社内にあるその人の情報をもう一度整理してみましょう。