慰謝料と別居期間は関係ないもの?
主人の浮気が発覚し、別居していました。
離婚をするという話は出ていたのですが、具体的な進展はなく、あっという間に1年が過ぎてしまいました。
別居期間が長くなっても慰謝料は変わらずもらえるのかどうかを教えてください。
別居期間が長ければ慰謝料の金額は高くなる傾向があります。
慰謝料の額はどうやって決まるか
離婚の際にもらえる慰謝料の額は、離婚事由の重さや婚姻期間の長さなどの要素によって決められますが、別居期間も慰謝料を決めるひとつの判断材料となります。
夫婦には本来同居義務と協力義務、つまり出張や入院といった特別な事情の場合を除いて一緒に住む義務と、夫婦の生活がお互い同程度に保たれるように協力する義務があるのです。
浮気をしたことで別居に至ったということは、これらの義務を果たせなくなるくらい大きな精神的苦痛を受けたということになり、別居期間が長いほど精神的苦痛の度合いも大きいと判断されます。
したがって、別居期間が長くなることによって、慰謝料の額も大きくなる傾向があります。
また、慰謝料が請求できる期限は、浮気の事実が発覚してから3年までと決められているため注意が必要です。
長期の別居の際に気を付けること
今回の事案ではすでに別居して1年間が経過しているとのことですが、その間もご主人とは定期的に連絡をとっているでしょうか。
連絡を取っていないならば、取るようにされることをお勧めします。
また、相談の中では語られていませんが、別居に至るまでの経緯も重要です。
夫婦関係を取り戻すための冷却期間としての別居であるならば慰謝料請求に問題はありません。
しかし、もし「離婚してやる!」などと宣言して家を飛び出すような形で別居していたならば、その時点で夫婦関係が破綻していたものと認識され、別居期間が長引くことは「悪意の遺棄」と見なされてしまう場合があります。
悪意の遺棄によって生じた別居状態が長引くことは、奥様の慰謝料請求に不利に働く可能性がありますので、注意しましょう。