離婚しないで浮気相手へ慰謝料請求するメリット・デメリット

夫の浮気が判明してしまいました。
しかし、私も40代なので年齢的なことを考えても離婚はしたくありません。

ただ、浮気相手を許すことがどうしてもできないのです。

今後、慰謝料請求をしようと考えているのですが、離婚をしないで浮気相手に慰謝料請求をした場合のメリットとデメリットを教えてください。

慰謝料を回収することができれば、これはまさにメリットといえます。

しかし、不倫慰謝料というものは旦那様と不倫相手が連帯して負担をしなければならないものです。

離婚をしない場合は奥様と旦那様の家計は同一のものですから、デメリットになってしまうかもしれません。

連帯して負担するってどういうこと?

そもそも不倫というのは、法的にいうと「共同不法行為」というものにあたります。
つまり、どちらか一方にのみ責任が発生しているわけではないのです。

不倫の場合、不法行為責任が夫と不倫相手の両者に発生していますので、慰謝料を請求するとなれば両者が連帯して債務を負うことになってしまうのです。
これが、「慰謝料を連帯して負担する」という意味です。

同じ家計の者から慰謝料を受け取ることにも

そして、不倫慰謝料の場合、通常の連帯債務とは少し性質が違い、「不真正連帯債務」となります。

この不真正連帯債務というものは、双方が債務を連帯しているけども、それぞれが独立した債務を負っているというもので、どちらか一方にした免除の効果がもう一方に及ばないのです。

つまり、100万円の慰謝料を請求したときに、旦那様に対しては支払いを免除し、浮気相手にだけ100万円を支払わせるということができません。

これは、金銭の回収という面では被害者に対するメリットなのですが、浮気相手にだけ支払わせるということがどうしてもできないので、デメリットにもなってしまうわけです。

このように、浮気相手に対して慰謝料請求をするということは、その支払いの責任を旦那様も負うことになってしまうわけです。

離婚しないまま慰謝料請求をする場合は、この点をしっかり理解した上で夫婦関係が余計ぎくしゃくしてしまわないように配慮しなければなりません。

さらに、離婚をしない場合の慰謝料請求は、「離婚原因慰謝料」とは違い、少額しか認められないことがほとんどなので、この点もデメリットといえるかもしれません。

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