捜索願を出すにはお金がかかるの?
成人した息子が家出しました。
まったく連絡が取れず、事件に巻き込まれたのかもしれないと心配です。
すぐにでも警察に捜索願を出したいのですが、あとで膨大な費用を請求されないか不安です。
捜索にはお金がかかるのでしょうか。
警察の捜索にはお金はかかりません。
その意味では安心して良いと思いますが、成人した方が家出をした場合、警察は積極的な捜索をしないということを覚えておきましょう。
捜索の費用は国の予算でまかなわれる
警察は行政機関であり、業務は国の予算、つまり税金で行われます。
ですから、家出人の捜索をしてもらったとしても、お金を請求されることはありません。
消防車や救急車を呼んでもお金がかからないのと同じです。
ただし、行政は法律に則って行うもの。
警察が何を行うべきか、行えないかも法律で規定されています。
警察の職務権限と人員・予算の限界
警察は犯罪を捜査する義務があります。
しかし民事事件、たとえば「貸したお金を返してくれない」といった事件には介入できません。
家族に言わず家を出ていったとしても、自分の意思で居住地を変えた人に、警察が「家に帰りなさい」ということはできません。
行方不明者が何らかの事件・事故に巻き込まれた可能性がゼロではありませんので、警察は捜索願を受け付けます。
しかし、年間の家出人の数は約10万人。
すべての人を積極的に探すことはできません。
警察が積極的に捜索するのは、事件に巻き込まれた可能性が高い人、また未成年や認知症患者など、放置すると命の危険がある人等です。
成人の家出人は積極的に捜査しない
ご相談のケースでは家出をされたのは成人の方です。
その人が何らかの刑事事件、たとえば殺人や拉致監禁の被害に遭っている可能性が高いといった事情がないかぎり、警察が積極的な捜索をしてくれるとは考えにくいでしょう。
ただし、捜索願を出すことは無駄ではありません。
警察は、日本全国に巨大なネットワークを持ちます。
職務質問や交通検問、その他の事件の捜査の過程で家出人に該当する人の身元がわかった場合は、捜索願を出した人に連絡が入ります。
警察ができること、できないことを理解した上で、捜索願を出すか否かを判断してみてください。
少なくとも、お金の心配はすることはありません。