債務者が逃げた時の相談先
債権回収には常に困難がつきまといます。
とくに「夜逃げ」により債務者の行方がわからない場合は、個人の力ではどうにもならない事態に陥るものです。
その際は、目的をはっきりさせたうえで、最適な専門家に頼む必要があります。
債権回収の代理人は弁護士に
債権回収の専門家としてまず考えられるのは弁護士。
弁護士は、債権者の代理人として交渉や回収が行えるほとんど唯一の存在です。
支払督促や裁判、法的・私的整理への対応等、法律の知識・経験を駆使して債権を回収できます。
法的な債権回収の代理人を、弁護士資格のない「整理屋」のような人に頼むのは絶対に避けましょう。
お金を持ち逃げされたり、違法な取立てによりあなたが責任に問われる可能性があります。
弁護士は行方不明の人を探せるのか?
しかし、弁護士とて万能ではありません。
債務者が行方不明になっている場合に、弁護士が人探しそのものを行えるかということについては疑問です。
弁護士や司法書士、行政書士等は、「職務上請求書」という書類を持っており、適正な理由があれば他人の戸籍や住民票を取ることができます。
また弁護士は、弁護士会を経由し、電話番号をもとにNTTや携帯電話会社の契約者情報を照会するなどといったこともできます。
しかし夜逃げは誰にも明かさずに行うもの。
それらの情報から足取りがつかめることはまれです。
居場所が分からないと、弁護士費用を負担しただけで結局回収不可能ということになります。
また、債務者の戸籍の取得であれば、債権者が自分でできます。
まずは人探し、探偵の利用も考える
人探しのプロとしては、探偵が挙げられます。
探偵は公的な資料だけではなく、独自の情報網、調査手法により居場所を割り出します。
実は、多くの弁護士は探偵と提携関係を結んで債権回収業務を進めています。
居場所を特定することができれば、弁護士に頼まずとも通常の請求によって債権を回収できることも考えられます。
債権の棒引きを行うことになるかもしれませんが、弁護士に頼んだ場合のコストを考えながら、次の一手が打てるのです。
重要なことはまずは人探しです。
居場所を特定してから回収手法の選定を行い、それぞれの段階で誰に相談すればよいのか、ということを考えておくべきでしょう。