退職後に同業他社へ就業をしていないかを確認する
社内で重役を務めていた人物が退職することになりました。
有能な社員の退職自体が痛手ですが、退職後、ライバル会社に就職するのではないかと心配しています。
社員の退職後の就職先を知るには、どうしたらいいのでしょうか。
重要な職務を行う人が退職した際警戒すべきことは、退職後にライバル企業へ就職し、自社の情報を漏らすこと。
転職先については、比較的簡単に調べることができますが、情報漏洩についての判断は難しいものと考えなくてはなりません。
日本企業もヘッドハントは日常茶飯事
企業のヘッドハンティングは、日本でも珍しい事例ではなくなりました。
スキルのある社員、情報・ノウハウを持っている社員ほど同業他社からの誘いは多くなります。
転職の際、経験とスキルを活かせる会社を選ぶのはある意味で当然のことです。
労働契約上退職後に一定期間競業を行わないといった競業避止特約がない限り、同業他社への転職は止められるものではありません。
しかし、自社の重要な情報、顧客を持ち出し、転職先で業務に利用しているとなると問題です。
最初からライバルの機密情報を得ることを目的に他社の社員をヘッドハンティングする事例もあるようです。
転職先は尾行によって容易に分かる
退職した社員の転職先を知ることは、それ自体は難しくありません。
住所はすでにわかっていることが多いと思われますので、本人が朝出社するときから尾行してどこに向かっているのかを調べれば、極めて高い確度で転職先を調べることができます。
同業者によるヘッドハンティングの場合、会社を辞めてからほどなく次の会社への勤務が始まります。
したがって、転職活動の時間が長い場合、あまりそのような危険がないともいえます。
転職までのその社員の動きも注視する必要があるでしょう。
情報漏えいの有無は詳細な調査が必要
転職先が同業他社だったとしても、それは基本的に自由な行為です。
問題となるのは、転職先で情報漏えいがあるかということになりますが、それを調べるのは非常に困難です。
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転職で守るべき義務とは――競業避止義務って知ってる?
前職で得た情報を使って業務を行っているとわかる行為、たとえば転職先の会社の業務として顧客と会っているといった具体的な行動を監視する必要があります。
それが不法行為であるかということについては弁護士など法律専門家の意見も聞いてみるべきですが、まずは、その元社員の転職先での行為により起こるべき経営リスクを洗い出しておきましょう。