詐欺で立件できるケース
詐欺は、次々に新しい手口が出てくる犯罪。
警察が立件しにくい手口が数々編み出されています。
詐欺の立件のために最も困難となるのが相手に「騙す」意思があることの証明ですが、詐欺の類型ごとにどのようなケースでこの事実が認められるのでしょうか。
オレオレ詐欺は立件しやすいが捕まえにくい
立件しやすい詐欺がオレオレ詐欺(振り込め詐欺)です。
お金を要求する電話をかけた人が被害者の息子や娘、孫ではないことは、本物の家族に確認すればすぐにわかること。
最初から相手に騙す意思があったことは明白です。
とはいえ、オレオレ詐欺の加害者とは電話で話しただけで、会ったこともないのが普通。
手がかりが残りにくいため、立件はしやすいものの逮捕することが難しい犯罪といえるでしょう。
「騙した」ことを証明するには
立件が難しくなるのが、相手に騙す意思があったかどうかが不明確なケース。
お金の貸し借りを装う詐欺、出資を装う詐欺、また恋愛感情を利用する結婚詐欺等がこれにあたります。
これらが立件されるのはどのようなケースなのでしょうか。
お金の貸し借りを装う詐欺
- 借用書に記載した氏名、会社名がでたらめ
- お金を借りて、ほどなく姿を消す
- 分割の返済を一度も履行しない
投資詐欺
- 出資金を目的外に流用されている
- 配当が一度もない
- 契約書に書いた会社が架空のもの
- 相手と連絡が取れない
結婚詐欺
- 相手がすでに結婚している
- 「借金」「病気」など、お金を出させた理由に虚偽がある
- 同時に複数の人と結婚を約束している
被害者が事実を証明することの困難
これらのケースそれぞれに、詐欺師は「騙すつもりはなかった」と言い逃れをし、警察が手を出せなくする手段を持っています。
ただし、立件することができれば、詐欺師は告訴を取り下げてもらうためお金を返す、という行動に出ることが多いので、被害額を抑えることは期待できるでしょう。
しかし、これらの事実は、警察が強制力をもって捜査することで初めて明るみに出ることが多いもの。
警察に動いてもらうために被害者がこれらの事実を示すことには困難があります。
詐欺罪に問うためには、被害者自身が加害者の特定、証拠集めに動く必要があるのが現実です。