社長が行方不明。売掛金の回収はどうなる？

取引先の会社の社長が、ある日突然行方をくらまし、会社が倒産してしまったというパターンは、珍しくはありません。

その会社に売掛金がある場合は、頭の痛い問題になります。
連鎖倒産という最悪の事態にもなりかねません。

トップが消えただけで倒産してしまう程度の会社であれば、それほど大企業とはいえないでしょう。

資金繰りはすべて社長一人が行っているケースが多く、その社長が行方不明になってしまったら、売掛金の回収は極めて難しいと思われます。

商取引の売掛金は回収できない可能性が高い

経営責任者である社長が逃げ出すほど経営が悪化していた会社であれば、ほかにも売掛金を残している取引先もいると考えられますし、従業員への給料すら未払いになっている可能性も高いと思われます。

法律上、社員の給料は一般的な売掛金より優先的に支払われることになっています。
ですから、会社の口座にまだ残高があったとしても、おそらくほとんどが従業員の未払い分の賃金に回され、残りが売掛金への返済になります。

一般的な売掛金は、担保でもとっていない限り、回収は早い者勝ちになる上、満額回収できる可能性はないと覚悟した方がいいでしょう。

会社が倒産すると、いち早く債権を回収しようと、債権者が大挙して押しかけるのはそのためです。

社長の身柄より口座を押さえるという手段もある

社長が行方不明になっただけで、経営が傾く会社の場合、会社の銀行口座には売掛金を回収できるほどの残高が残っていない可能性が高いでしょう。

売掛金を回収するために、社長を見つけ出して支払わせる、あるいは社長個人の財産を差し押さえたいと思うかもしれませんが、会社と経営者は別の人格であり、無条件で個人の資産まで差押えることはできません。

商取引での売掛金回収に関しては、逃げた社長本人を探し出すよりも、行うべき方法が色々あります

会社が今後どのように整理されるのか、またほかの債権者の動きによっても状況が変わります。
改めて申し上げると、経営者が夜逃げした場合、売掛金を満額回収するのは極めて困難です。

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また、少しでも多く回収するためには、法律的な知識が必要となります。
売掛金の額が大きい場合は、法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。