社員の犯罪歴詐称の対処法
従業員の中に、過去に犯罪行為を行って逮捕され、刑事罰を受けたことを隠している人がいるということがあります。
経営者、人事担当者が個人の犯罪歴を調べるには、どのような方法があるのでしょうか。
警察等のデータにアクセスすることは不可能
前科・前歴のデータは、警察庁に保管されています。
逮捕されながら不起訴や起訴猶予になった事件についても、警察官は調べることは可能です。
また、刑務所に服役した人については、選挙権等の取り扱いのため、検察庁から都道府県にも情報が提供されています。
しかしながら、警察のデータは主に個別の刑事事件の捜査などに使われるもので、警察官であっても自由に照会できるものではありません。
まして、これらの情報に一般の人がアクセスすることは、ほぼ不可能です。
とはいえ、報道等で目にしたことがあるかもしれませんが、警察官による犯歴情報の漏えい事件が起こっているのも事実です。
その問題を受けて、警察署内での犯歴データの管理は以前よりも厳重になっているともいわれています。
聞き取り調査により明るみに出ることがある
このように、一般の方が行政の持つデータを使って犯罪歴を調べることはできません。
しかし、特定の人の犯歴についてまったく調べる方法がないわけではありません。
たとえば、インターネットで氏名を検索すると、新聞記事でその人の犯罪が報道されていることがあります。
また、執行猶予のつかない実刑判決を受け、服役した事件については、その人の知人や近所の人に知られていることが多いと思われます。
前職で業務上の犯罪を行っている場合は、業界内で知られていることもあります。
噂程度の話を簡単に信用することは避けなければなりませんが、重大な犯罪の場合は聞き取り調査が最も有効でしょう。
また、探偵・興信所が人の行動、評判などを調べる過程で確度の高い犯罪歴の情報が浮上してくることもあります。
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本当に犯罪歴を調べる必要があるのか?
最後に申し上げておきたいことは、犯歴は非常にデリケートな情報だということです。
過去に犯歴があっても、更正しているのであれば会社の業務を行うことに支障がない場合も多いでしょう。
本当にその情報を知る必要があるのか、ということから検討するべきだと思います。