相手が行方不明でも裁判は起こせるの?
「お金を貸した相手が行方不明になってしまった」
もしそんな事態に陥ってしまっても、諦める必要はありません。
たとえ、相手の行方がわからなくても、裁判を起こして相手を訴えることは可能なのです。
行方不明者を相手に裁判を起こす方法
通常の裁判では、「訴えられている」ということを伝えるため、相手側に裁判に関する資料を送らなくてはなりません。
相手の行方がわからなければ書類を送ることもできませんが、そうしたときのために『公示送達』という方法があります。
⇒詳しくは 意思表示の公示送達の申立てをされる方へ
これは、連絡先がわからない相手に対して「連絡が済んだことにする」という手続きです。
もちろん、行方がわからない以上は実際に相手に連絡が付くはずはないのですが、そのために泣き寝入りすることのないよう設けられた手続きです。
公示送達は、当事者からの申し立てを受けた裁判所書記官の手によって行われます。
『反論のない裁判』なので有利に進められる
行方不明者相手の裁判は、相手側が法廷に現れることはないため、必然的に全て『欠席裁判』となります。
相手からこちらの主張に対して反論される恐れもないので、これといった難なく裁判を有利に進めることができるでしょう。
問題は、「勝って得るものがあるか」
見事裁判に勝ったとしても、貸したお金を必ず回収できるとは限りません。
回収するべき相手はどこにいるのかわからないので、結局相手を見つけ出さなければならないからです。
そうならないよう、予め「差し押さえられる財産」に目星をつけてから裁判を起こす方がいいでしょう。
判決が確定しても、なお債権者が債務の支払いを行わない場合は、強制執行や担保権の実行により、保有している財産をお金に変えて支払いに充てることができます。
「差し押さえられる財産」が十分にあれば、それだけでも債務を回収することができますが、債務者にそうした財産がなければ裁判が徒労に終ってしまうことも考えられます。
そのため、行方不明者相手の裁判では、債務が回収できるかどうかある程度目算を立ててから動くことをおすすめします。