横領を調査する方法
従業員による不正で最も多いものの一つが「横領」です。
軽微なものを含めると、多かれ少なかれどの会社にも発生しているともいえます。
横領の手口としては、会社の金庫や口座から直接お金を抜く、という大胆なものから、取引先との契約を自分のものとする「横流し」などがあります。
また、刑法上の横領とは異なりますが、立替経費の水増しや交通費の過大請求なども多くの会社で発生しています。
経理・営業の横領は発覚しにくい
横領はケースによっては発見が困難になります。
現金を抜くといった事例は、経理担当者がすぐに気づくことができるものではあります。
しかし、経理担当者自身が不正を働いている場合、発覚しにくくなってしまいます。
たとえば、特定の現金支払いの売上を、経理担当者が帳簿につけずに懐に入れる場合などです。
入金自体を誰も把握できないため、長期間横領に気付かなくなります。
また、営業担当者の横領も重大になりやすいケースと言えます。
契約の横流しなどは、社内に証拠が残らないため発覚しにくいのです。
取引先からの業務に関する問い合わせで、数年前に行った契約に初めて気づく、といった事例もあります。
部署を横断するチームで調査する
こういった横領が起こる原因に、経理、営業、そして会社の本来業務を担当する各部署の連携が取れておらず、それぞれの動きが把握されていないことがあります。
横領を調査する際に必要なことは、まず、経営者をトップに、経理と営業、各業務の責任者が調査チームを作ること。
そして、一つ一つの契約と入金、実際の業務の内容を、付き合わせて精査、必要に応じて取引先に聞き取りを行うことも必要となってくるでしょう。
第三者を入れて調査するのがベスト
しかし、社内調査の欠点は、不正を行っている張本人が調査を担当する危険が避けられないことです。
社員の間で不正が広く蔓延していて、知らぬは経営者ばかり、といった事例では、調査も「なあなあ」になってしまいます。
事態が重大である場合、第三者をチームに入れての調査が必要となります。
経理上の不審点を洗い出すには、会計士や税理士らが力を発揮します。
そして、外回りの社員の行動を実際に監視するためには、探偵・興信所などを利用することも考えるべきでしょう。