探偵Q&A/自分で証拠を集めるより証拠能力が高い?
探偵に調査をお願いしたいのですが、自分で調査して証拠がつかめるならそのほうが良い気もします。
探偵の集めた証拠は証拠能力が高いと聞きますが、自分で証拠を集めた場合と、探偵に頼んだ場合はどのような違いがあるのでしょうか。
ご自分で事実関係を調べ、証拠を集められればそれに越したことはありません。
しかし、個人での調査には限界があるのも事実です。
探偵は、事実を解明するだけではなく、仮に争いになっても使える、証明力の高い証拠を揃えることができます。
探偵は証明力が高い証拠を集めるプロ
「証拠能力」という言葉は、法的には少し別の意味になるのですが、ご質問は、おそらく証拠により、事実関係を確かなものだと証明する「証明力」に関することだと思われます。
証明力の高い証拠は、相手にこちらの主張を認めさせるため、あるいは裁判で勝つために、強力な武器になります。
自分で証拠を揃える場合、難点として挙げられるのが、調査手法の限界。
尾行や張り込みなどを普通の人が行うのは困難でしょう。
また、相手に調査がばれてしまう危険もあります。
探偵は調査の専門家ですから、詳細な調査を秘密裏に行うことができます。
当事者が証拠を客観的に見ることの困難
もうひとつ、ご自身で調査する場合の欠点として、「バイアス(偏り)」があります。
誰しも、「自分のほうが正しい」という気持ちを少なからず持っているもの。
はじめから「自分が正しい」と思って証拠を集めると、証明力の高くない証拠でも「これで完璧」と思ってしまう傾向があるのです。
たとえば、夫の不倫問題を考えてみましょう。
配偶者以外の異性とホテルから出てくるところを捉えた写真を撮れれば、かなりの証明力です。
しかし、奥様に内緒で異性と一緒に喫茶店でお茶を飲んでいる写真ではどうでしょうか。
奥様としては、それだけで旦那様を問い詰めたくなるかもしれません。
しかし、単なる友人同士かもしれませんし、商談をしているのかもしれません。
証拠の一つにはなるかもしれませんが、証明力は弱いのです。
思わぬ反論を受け、裁判でも負けてしまう、ということになりかねません。
探偵は、証拠の証明力を常に意識して調査しています。
相手が逃げられないような証拠をつかむために役に立つ存在といえるでしょう。