取引先会社倒産の前兆
取引先の会社が倒産すると、その巻き添えとなって倒産に追い込まれる会社が出てきます。
大口の取引がなくなったことによる業績不振による倒産といったケースもありますが、その会社に対する売掛金回収ができずに資金がショートしてしまい、倒産するケースもあります。
連鎖倒産を防ぐには、会社倒産の前兆をできるだけ早いうちにみきわめ、早くから対策をたてることが非常に重要です。
資金繰り悪化を示す行動を注視する
会社倒産の前兆を把握するには、まず、経営陣の様子に常にアンテナを張り巡らせておく必要があります。
とくに社長が大きな実権を持つワンマン経営の企業の場合、社長の動向にはできるだけ注目しておくほうがよいでしょう。
社長が放漫経営と思われる行動をしている、あるいは資金繰りに走り回っている様子があるのであれば、警戒するべきだと考えましょう。
また、支払いの取り決めが変更された場合も危機の前兆といえます。
たとえば、末日締の翌月末日支払が、翌々月15日支払になった、手形取引への変更、手形のジャンプを依頼されたなどといった場合には要注意です。
社員の様子で危機の前兆を読み取る
経理担当者が急に退職するなども前兆のひとつです。
経理担当者は会社の経理状況を最もよく把握していることで、沈みかかった船から真っ先に逃げ出す傾向があります。
また、取引銀行に対する粉飾決算の書類作りに気を病んで退職するといったケースも多くあります。
その会社の社員に覇気がなくなっているなども重要視しましょう。
社屋をきれいに掃除することはできても、社員の気持ちは自然にとりつくろうことが難しいからです。
危機を感じたら自ら取引先に訪問する
営業担当者だけでなく、その上司、経営者も時々その取引先に顔を出して様子をうかがうことが必要と思われます。
いつも出入りしている者には微妙な変化がわかりにくいものですが、時たま程度に顔を出すと前回と大きく変わった部分がはっきりと見えるものです。
営業担当者から「何か様子がおかしい」と報告が上がったなら、できるだけ早くその上司が同行して様子を見にいくなど確認を行いましょう。
また、その会社と取引をしている他社に連絡を取って情報を得ることも会社倒産の前兆を把握するうえでの大きなポイントになります。