別居中の養育費の相場は?
相手の浮気が原因で一度は別居を検討してみたものの、自らの収入と子どものことを考えたすえ、やはり別居は難しいと考えてしまう方は多くいます。
しかし、たとえ別居中であっても夫婦には扶養義務があるということをご存知でしょうか。
別居中には生活費として婚姻費用を相手に請求することができるのです。
これを「婚姻費用分担金」といい、この中には、もちろん子どもにかかる教育費も含まれています。
まだ正確には「養育費」と呼ばれない費用
少し混同しがちなのですが、養育費とは確かに子どもにかかる費用のことをいいます。
しかし、正確には「離婚後」に非監護権者(子どもに寄り添えない者)となった側が、養育できない代わりに支払うお金のことを養育費といいます。
まだ別居の段階であるならば、子どもにかかる費用のことは教育費といったり、まとめて生活費(婚姻費用)という呼び方がされています。
婚姻費用分担金の相場はお互いの年収次第
相手が金額に合意の上で支払いをするのであれば、婚姻費用はいくらでも構いませんが、調停や審判で実際に認められている金額には一定の基準があります。
別居時に婚姻費用を決めるのであれば、下記算定基準を参考にしてみてください。
●婚姻費用義務者の年収が500万円で子どもが1人
権利者の年収が0~113万円の場合 8~10万円
権利者の年収が113~288万円の場合 6~8万円
権利者の年収が288~438万円の場合 4~6万円
ここでいう義務者とは支払う側のことをいい、権利者とは受け取る側のことをいいます。
家庭裁判所のホームページに婚姻費用についてさらに細かい算定表が掲載されていますので、そちらも参考にしましょう。
(参考資料)
東京家庭裁判所 養育費算定表 https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/
調停・審判といった方法もある
どうしても支払ってもらえない場合には、「婚姻費用の分担請求調停」を裁判所に申し立てることもできます。
この婚姻費用は生活に直接かかわることなので、調停での合意が困難そうであれば、直ちに審判決定(裁判官の裁量による決定)が出ます。
審判決定が確定しさえすれば、直接相手の職場に給与の差押えをすることもできます。
このように、たとえ別居中であっても生活をしていくために必要な婚姻費用を相手に請求することが可能となっています。
もちろん、子どもがいるのであればその分は上乗せして支払ってもらうことができるので、お金に対する心配はずっと少なくなるでしょう。