別居中の年金分割はできる?
60代の女性ですが、夫の浮気が発端となり以前より別居中です。
2人の子供も自立して今は一人で生活しています。
現在は夫との生活に戻るつもりはないのですが、この場合離婚していなくても別居中ということで、年金分割をしてもらうことはできないのでしょうか?
年金分割を行うためには、離婚をしていることが原則となります。
したがって離婚をしていない別居状態のままでは、年金分割を受けることはできません。
また離婚をすると、別居の期間中も原則的には年金分割の対象になりますが、共同生活の放棄ともみなされる場合があり、年金分割の按分割合が少なくなる可能性もありますので気をつけましょう。
お子さんも自立されているようですので、正式な離婚も視野に入れて検討してみるのもよろしいかと思われます。
離婚を考える場合は生活が成り立つかどうかがカギ
もしも離婚をすれば、被扶養配偶者であった妻の場合は強制的に、年金分割をしてもらえることになります。
ただし本当にそれだけでこれから先の生活が成り立っていくかどうかを、しっかり見定める必要があるでしょう。
離婚を持ち出した上での話し合いで、和解に至るというケースも珍しくありません。
まずは一度ご主人とじっくり話し合ってみるのも手段のひとつです。
また場合によっては別居を続けながら、生活費を支払ってもらう方が生活が安定することかもしれません。
この生活費に関してはこの後説明します。
別居中も生活費を支払う義務がある
別居しているだけでは年金分割は行えませんが、夫は仮に別居中であっても扶養家族である妻の生活費は、支払わなければならないという義務があります。
「婚姻費用の分担義務」と呼ばれるもので、夫婦は婚姻関係にある限り生活費を分担しあわなければならないのです。
これは別居中であっても例外ではありません。
ただし別居の原因が、生活費を請求される側にある場合に限ります。
質問者様のケースでは、ご主人の浮気が原因での別居ですので、これに該当することになるでしょう。
したがって生活費を請求することが可能です。
この場合の生活費には、単に衣食住における費用だけではなく一般的な交際費や娯楽費も含まれますが、度を越した贅沢な娯楽費などは認められません。