出資元調査方法
競合するライバル社取引先など、自社の業務に影響を及ぼす他社の資本力を知りたいと思うことがあります。
出資している人が誰なのかどのくらい出資しているのか、ということを調べる方法はあるのでしょうか。
中小企業の出資者、株主を調べることは困難
出資は有限会社においては出資者、株式会社においては株主が行いますが、これらの情報を第三者が閲覧する方法は限られています。
出資者や株主は会社に据え置かれる名簿に記載されています。
この名簿は会社と一定の関係のある人は閲覧することができます。
会社法では株主名簿等の閲覧を請求できるのは、ほかの株主あるいは債権者です。
とくに株式が市場で流通していない中小企業の場合、名簿の閲覧請求ができる人はかなり限られます。
また、大企業は有価証券報告書等により大株主の構成について公表していますが、こういった制度のない中小企業の情報はやはり乏しいと言わざるを得ません。
中小企業は取締役などの役員あるいはその家族が株主になっていることが多いといえます。
ですから、株主構成については経営者に直接聞けばすぐにわかるともいえますがそのようなことができない場合の方が多いでしょう。
外部の調査会社なら精度の高い情報が得られる
それ以上の調べ方としては、調査会社を利用する方法があります。
帝国データバンクや東京商工リサーチでは、経営者からの聞き取り調査によって、中小企業の出資者についての情報を収集していますので、信頼性の高い情報を得る有効な方法です。
また、企業調査を得意とする探偵社でもそのような情報を調べることができます。
場合によっては、株主名簿等に載っている株主と実際にお金を出している人が異なる場合もあります。
そのような複雑な事情についても、探偵の詳細な調査によって明らかにできることがあります。
ただし企業の資本力、資金繰りの状況を知るためには、貸借対照表など決算書情報を調べるのが基本。
必ずしも出資者を知る必要があるとはいえません。
出資者を知ることのメリットと調査費用を比較しながら、外部委託による調査を実施すべきか検討してみるとよいでしょう。