内縁の関係だと慰謝料相場は安くなるの?
今の夫とは婚姻届は出していませんが、事実上、内縁の関係にあります。
先日、夫が浮気をしていることが発覚しました。
夫と内縁の関係を解消し別れることにあたり、夫と浮気相手に慰謝料を請求したいと思っています。
内縁の関係の場合、正式に結婚している人と違って、慰謝料の相場が安くなったりするのでしょうか?
現在、婚姻関係のある離婚の慰謝料の相場は、50~300万円です。
それに対し、内縁破棄の慰謝料の相場は50~200万円程度と言われています。
最高額が正式な婚姻関係がある場合よりも、少なくなる可能性が高いと考えたほうがいいでしょう。
そのほか、慰謝料の請求においては婚姻関係がある場合と同じになりますので、浮気相手からも請求ができ、請求方法も同じです。
内縁破棄で慰謝料を請求する場合、相手から「自分は内縁関係にあったとは思っていない」と反論されることも予想できますので、単なる「同棲」ではなく、内縁関係にあったということを証明する必要があります。
内縁関係で認められる権利と義務
扶養、協力、同居義務・・・事実上、夫婦のような関係です。
- 貞操義務・・・肉体関係を伴う浮気をしてはならないとされています。
- 日常家事債務の連帯責任・・・内縁の妻、夫の借金も背負うことになります。
- 婚姻費用の分担・・・生活費を分担するものとされています。
このような内縁関係を解消することを、「内縁破棄」や「内縁解消」と言います。
内縁関係を証明する方法
内縁関係を証明する確実なものは、次のようなものがあります。
- 内縁関係証明書
- 住民票(続柄に夫(未届)、妻(未届)と表記されている場合)
- 配偶者や内縁の妻と書かれたマンションなどの契約書
また、以下のものも婚姻意思を推測させるものとされ、内縁関係を証明するのに有効な場合があります。
- 両親や知人・友人、近所の人の証言
- 連名で出した手紙、挨拶状
- 連名で参加した冠婚葬祭などの行事があること
その他、相手を賃貸借の保証人にしている場合や、店の売上金管理や銀行取引を相手方にさせていた場合も、判例上では事実を認めています。
慰謝料の相場は、内縁関係の期間、内縁破棄の理由、精神的苦痛の程度、不貞行為の程度、子どもの有無、年齢、社会的地位、支払う側の資力、内縁破棄後の生活状況などが考慮されます。
なお、浮気による内縁解消の場合は、結婚していた場合と同じように十分な証拠集めが必要です。