債務者の住所を調べられない場合
お金を貸していた債務者が、返済を滞らせ、そのまま行方をくらましてしまう・・・ということは、決して珍しいことではありません。
電話を掛けても出ないくらいならまだいいのですが、債務者に送った督促状があて先不明で戻ってきたとなると大変です。
それは債務者が勝手に引っ越して、住所を変えてしまったということを意味します。
まずは、考えられる限りの手を尽くして住所を調べましょう。
それでも調べられなかった場合、最後に残る手段はプロへの相談です。
債務者の転居先の住所は調査可能か?
債務者が勝手に引越し、転居先の住所がわからない場合、それを調査するのは意外に難しいものです。
債務者の転居先を調査するには、債務者の親兄弟といった縁故を辿る方法が簡単かもしれません。
しかし無断で行方をくらますような債務者の場合、親兄弟も債務者の現住所を知らない、また口止めされている可能性も十分にあります。
役所での調査には「壁」がある
ひと昔前であれば、市役所の戸籍課へ行って、債権者の戸籍謄本の附票や、住民票の除票を簡単に入手できましたので、それを手に入れれば、債務者の現住所を割り出すことができました。
ところが近年、個人情報保護の観点から、第三者が個人の戸籍謄本の附票や、住民票の除票を取得することが非常に難しくなりました。
具体的には、戸籍謄本の附票や住民票の除票の請求ができるのは、原則として直系の親族だけであり、その他のケースは正当な理由がなければ、請求しても役所に拒否されてしまいます。
債権者が債務者の住所を知りたい、というのは一応正当な理由として認められているはずなのですが、現実的には役所によって対応は異なり、債権の存在を証明できていない、といった理由で認めないケースもあるそうです。
債務者が転居届を出していないと・・・
また、戸籍謄本の附票や住民票の除票を使って現住所が判明するのは、あくまで債務者が真面目に自分の現住所を役所に届け出ていた場合に限ります。
もし債務者が債権者の調査の手を逃れるために、住込みの仕事でも探した上、役所への住所変更を行わないで転居してしまった場合、調べることは極めて困難です。
個人のプライバシー保護が厳しくなった現在、債務者に限らず素人が人を探すには限界があります。
貸した金額にもよりますが、金銭トラブルの専門家である弁護士、あるいは人探しのプロである探偵などに相談した方がいいかもしれません。