信用調査の内容
今まで付き合いのなかった会社と継続的な取引や提携をする際であっても、信用調査をする習慣がない経営者は多いと思います。
しかし、大きな取引を行う際に相手先の調査を行わないことは、大きなリスクとなります。
詐欺会社にお金を持ち逃げされる危険性
継続的な取引は、現金取引ではなく、掛取引となることが多いでしょう。
これは言ってみれば、お金を貸すことと同じです。
人から「お金を貸して」と頼まれたとき「本当に返してくれるのか」ということは、誰でも気にするはずです。
売掛等が回収できなければ、最悪の場合連鎖倒産につながります。
またなかには、最初から悪意を持った企業が商品を受け取ってから姿を消す、いわゆる「取り込み詐欺」の被害に遭うこともあります。
法人登記は行っているものの経営の実態がない会社との取引は絶対に避けなくてはなりません。
破たんによる売掛金の貸し倒れリスクを調べる
経営実態のある企業であれば第一条件はクリア、ということになりますが、まだまだ安心はできません。
財務状況が悪く、大きな取引に耐えられる体力がない場合もあります。
継続的に利益を出しているのか、キャッシュフローが健全なのかということも調べておくべきでしょう。
上場企業であれば、決算書が有価証券報告書やIR情報によって公表されています。
また、実績についても、ネット情報だけでもかなりの部分がわかります。
雑誌や一般紙で業績が取り上げられることもあります。
一方、中小企業の場合は、決算書を提出してもらうなどの方法で、こちらから積極的に情報開示を働きかけることが必要となります。
中小企業は、経営者個人の情報も重要
中小企業は、株式の所有と経営が一体化している傾向があります。
つまり、「会社イコール経営者」なのです。
会社が融資を受ける場合は、経営者が個人保証をすることが極めて多いため、会社の財務状況を調べる際は、個人資産も調べる必要があります。
また、個人の資質で経営が左右されるため、経営者がどのような人物であるのか、ということが非常に重要です。
調査によって、経営者に反社会的な組織とのつながりがあるといったことが明るみに出ることがあります。
法人と個人両方の側面から、会社の全体像を調査する必要があるのです。