プラトニックな関係の不倫でも慰謝料は取れるの?
夫が不倫をしていることが発覚しました。
私は夫とは離婚するつもりはなく、不倫相手に慰謝料を請求するつもりです。
ただ、不倫と言っても肉体関係はなく、「プラトニック不倫」と言われる関係でとどまっているそうですが・・・。
肉体関係がなくても相手に慰謝料を請求することはできますか?
また、そのようなケースはありますか?
本来、不倫の慰謝料の請求をするためには、不倫相手と肉体関係にあることと、確実な「不貞の証拠」が必要になります。
しかし、現在ではプラトニックな関係でも、場合によっては慰謝料を請求することができるようです。
実際に2014年3月に大阪地裁が下した、興味深い判決を紹介させていただきます。
実際にあったプラトニック不倫の慰謝料請求
2014年3月、大阪地裁で今までにないケースの不倫に対する慰謝料請求の判決を下しました。
夫と同僚の女性の不倫関係を疑った妻が、同僚の女性に対して慰謝料を求めた裁判です。
裁判所は、夫と不倫相手に肉体関係がないにもかかわらず、男女の不倫関係を認めました。
判決の結果、慰謝料の金額は44万円でした。
「プラトニック不倫」の経緯
問題になった「プラトニック不倫」は、同じ会社で大阪に勤務する男性と、東京に勤務する女性です。
出張などでお互いの地を行き来しているうちに、食事やデートをする関係になりました。
男性は女性に肉体関係を求めたものの、女性は拒否。
しかし、その後も2人は肉体関係を持たないまま、花火大会やバドミントンなどの「清い交際」を続けることに。
このプラトニックな関係がきっかけで、男性の妻に対する態度が冷たくなり、怪しんだ妻が証拠を集めて相手女性を訴え、慰謝料を請求したのです。
不貞行為がなくとも浮気は「妻にとっての損害」
このようなケースは非常に珍しいのですが、今回は、肉体関係を拒みながらも男性と特定の関係を築いたことと、妻側の損害(夫の冷たい態度)とのあいだには因果関係があることが評価されました。
不貞の証拠はないものの、「相当な男女の関係を超えたものといわざるを得ない」と指摘し、不倫関係を認め、慰謝料が発生しました。
夫とは肉体関係だけで、普段の会話もなく態度も冷たい、家庭内別居状態。
ある男性とは肉体関係はないけれど、夫にも話せないことを相談する、特別に心を寄せる存在。
このような極端なケースも、プラトニック不倫になり得るかもしれません。