まるわかりストーカー規制法/禁止命令とは何か
もしあなたがストーカー被害に困っており、相手がわかっている場合には、すぐにでも警察に相談されることと思います。
警察ではあなたからの申し出により、「ストーカー規制法」にもとづいて、相手に対して「警告」を行います。
つまり、「すぐにその行為をやめるように」と警察から相手に警告するわけです。
しかし、すべてのストーカーがその行為をやめるとは限りません。
もし「警告」してもストーカー被害が収まらない場合は、どうすればよいのでしょうか?
ストーカーへの「禁止命令」とは
警察から警告を受けた者が、それに従わずに再び同じ行為を繰り返した場合は、都道府県公安委員会から以下の「禁止命令」が出されます。
- 警告違反のつきまとい等の行為を、さらに繰り返し行ってはならないという命令
- さらなる警告違反行為の繰り返しを防ぐために必要な事項についての命令
(ストーカーが被害者の写真を送付しているような場合に、その写真のネガやデータを破棄させるといった命令)
この命令は行動の制限を義務付けるもの(不利益処分)ですので、公安委員会は「禁止命令」を発令する前にストーカーに対して聴聞の機会を設け、相手の言い分を聞く必要があります。
「仮の命令」とは
「禁止命令」を出すには、公安委員会の「聴聞」という手続きを踏まなければならず、迅速な対応ができません。
そこで、緊急であると警察が判断した場合、警察本部長等より「仮の命令」を出すことができます。
「仮の命令」の発令から15日以内に、公安委員会が相手に対して意見の聴取を行い、公安委員会による「禁止命令」に切り替えます。
この対象となるのは、規定されている「つきまとい等」の8つの行為のうち「つきまとい・待ち伏せ・押しかけ」のみです。
無言電話や中傷ビラ、迷惑メールなどに対して「仮の命令」を出すことはできません。
気を付けなければならないのは、「禁止命令」は「警告違反」の行為に対してのものだということです。
こちらのサイトも合わせてご覧ください。⇒
ストーカー対策SOS「警察からの警告に違反したら、禁止命令が出せる」
たとえば、「尾行」の被害について警告を出してもらい、いったん尾行はやんだものの、次に中傷ビラが配られたり、家の前で大声を出したりされるようになった場合は、「禁止命令」ではなく「警告」からやりなおしてもらう必要があります。
この「禁止命令」に違反してストーカー行為が続けられた場合には、罰則が科せられることになります。