結婚相手の住所が部落地域か調べる方法
子どもの結婚相手の住所が「部落地域」であるかもしれない、という不安を抱えた親御さんのご相談を受けることがあります。
「部落」は、あくまでも「身分」という考え方が存在した当時に生まれた言葉。
現在は、当然身分という考え方は存在せず、「部落地域」という言葉も意味をなしません。
このような相談を受けた際、我々は次のような説明をさせていただくことにしています。
人を差別する調査は禁じられている
「部落差別」は、今も日本に残る社会問題です。
「部落地域かどうかを調べたい」ということは、過去、部落地域と言われた地域に住んでいるというだけで人を差別すること。
差別するつもりはないと言っても、「部落」に基づく調査である限り、探偵がこの調査を受けることはできません。
差別に関わる調査は、憲法と条例で禁じられています。
日本国憲法第14条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
大阪府部落差別事象に係る調査等の規制等に関する条例
探偵・興信所が、同和地域に住所があるかないかを調べること、報告することは避けるよう定められています。
正しい理解をした上で本人の意思を尊重する
差別が過去存在したことを考えれば、親としての心配はごもっともです。
しかし、このように法で定められている以上、就職や結婚にこのような差別が持ち込まれるべきではありません。
もしも本人が気にしているようであれば、正しい理解を持った上で話し合い差別的な考え方から離れる必要がありますが、親が気にしているだけであれば、わざわざ子どもを巻き込む必要はありません。
部落についてはもはや知らない人のほうが多く、いずれ消え去るべき問題です。
あくまでも「結婚したい」という本人たちの意思を尊重し、見守って欲しいと思います。
万が一、このような依頼を受ける探偵があれば、法の意識が低い探偵であると判断したほうがよいでしょう。
つまり、その他の依頼者を守るような法律についても、守らない可能性があるということです。
「違法行為を行わない」という徹底した姿勢を持つ探偵こそ、本当に人々の味方になってくれるものだと考えましょう。