社内不正調査のすすめ方
社内で不正が行われている恐れがあるとき、事実関係を調査し、不正を行っている社員を特定しなければなりません。
社内不正調査は、内部の人材で対策チームを作って行うのが基本となりますが、必要に応じて外部に委託する方法もあります。
中立性を保つための外部委託
社内不正調査を行う場合、問題となるのは中立性です。
根拠の乏しい疑いをもとに特定の社員を詰問することは、トラブル発生の原因となります。
また、調査担当者らが不正に関わっていた場合は適正に調査をすすめることはできません。
不正調査では、内部の人材ではできない部分を外部委託するという手法が一般化しています。
専門家への委託を検討する際は、それぞれの専門家の得意分野を知り、最適な委託先を選択する必要があります。
弁護士、会計士などに調査を委託する
まず候補として挙げられるのは、法律の専門家である弁護士。
弁護士は、不正を行った社員に損害賠償を請求したり、懲戒解雇を行ったり、あるいは刑事告訴したりといった法的対応、またそれらを行うための証拠保全についてのアドバイスをしてくれます。
横領などお金に関する不正は、経理、現金管理などの体制をチェックすることで明るみに出ることがあります。
そのため、会計士も不正のチェックのために重要な存在です。
中小企業では、顧問税理士に相談することで何らかのアドバイスが受けられるかもしれません。
最近では、アメリカの会計士が中心となって創設された不正検査士(CFE)の資格を持ち、不正調査に関するコンサルティングを行う公認会計士・税理士もいるようです。
探偵・興信所の調査が必要となることも
ここまで紹介した専門家の業務は、社内にすでにある証拠を精査し、法的な観点から証拠を保全する作業といえます。
しかし証拠が乏しい状態であれば、特定の社員の行動を秘密裏に監視する必要が生じます。
この場合、探偵・興信所も選択肢となります。
社内不正調査を外部委託する場合は、自社の問題解決に最も適した専門家を選ぶ必要があります。
場合によっては、複数の専門家に依頼したほうが良い場合もあるでしょう。
実際、これらの専門家は互いに連携して業務を行うこともあります。