企業の与信調査の方法
新しい取引先と大きな受注、あるいは提携を考えている場合、相手先の会社が信頼できるか否かを判断するために必要となるのが「与信調査」です。
与信調査は、自分で行う方法、また外部の機関、事業者に委託する方法があります。
インターネット検索も立派な与信調査
新しい取引先について、多くの人は会社名や経営者の名前をまず「インターネット検索」で調べるのではないでしょうか。
これも経営実態を知るための立派な与信調査です。
インターネット情報からは、事業内容、財務状況や口コミの評判などを調べることができます。
しかし、中小企業の場合、決算情報などをインターネットから得ることは困難です。
また、インターネットの情報は信頼性が乏しい場合もあります。
インターネットで有益な情報が得られない場合は、より積極的な調査を行うことが必要となります。
相手先企業の実態を示す資料を集める
たとえば、取引開始時に企業から数年分の決算書の提出をお願いすることが広く行われています。
決算書類は主に貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)からなります。
貸借対照表からは会社の資産・負債等、損益計算書からは利益の推移、事業の収益性や将来性を調査することができます。
もうひとつ、企業調査で重要な資料が登記簿です。
法人登記簿からは、事業内容、資本金、役員などの情報が取得できます。
また、商業登記で調べた経営者の住所から、所有する不動産への担保、差し押さえ等の状況を不動産登記で調べることができます。
相手先の事業所に一度も訪問したことがない場合、実際に足を運んでみることも有益です。
業種にもよりますが、事業の実態や規模などを、事業所の大きさ、設備の稼働、社員の雰囲気から推し量ることができることがあります。
自前の調査に不安がある場合は外部委託を
得られる資料が少ない、資料分析のための知識に不安がある、調査にかける時間がないなど、自分で行う調査に限界を感じた場合は、帝国データバンク等の調査会社、探偵や興信所など、外部に調査を委託することを検討しましょう。
外部の調査機関の調査においても、決算書や登記簿は重要な資料ですが、それぞれの得意な調査手法により、公表資料だけではわからない会社の実態を明らかにすることができます。